第9章 【柳甘】抱きつき癖
「ありきたりだな。」
まさかの柳先輩にダメだしをくらってしまった。
「いいんじゃねぇの?ちょっと変わった喫茶店にすれば。」
「丸井先輩っ!」
「ちょ!?」
あたしの意見に賛成してくれた丸井先輩につい飛びついてしまった。
そう。あたしには抱きつき癖がある。
柳先輩の目は気にもとめない。
だから、柳先輩がムッとしていたことには気づかなかった。
「はい、じゃあ喫茶店に決まりね。」
「次の話し合いではどんな喫茶店にするかを決めるから考えておくように。解散。」
「あぁ、結菜はこの後残れ。」
部長達が会を閉めると、柳先輩はいつも通りの口調でお知らせのように告げた。
なぜ呼び出されたのか不思議に思いつつも、あたしは人が減るのをその場で待った。
何故呼び出されたのか
…当然、あたしには思い当たる節がない…