第9章 【柳甘】抱きつき癖
「真田先輩は少し遅れるそうです。」
「遅刻するなとか言っておいて自分が遅刻かよぃ。」
「まあそう言うなブンちゃん。」
文化祭も近くなってきて浮き浮きした気持ちがとまらない!
あたしは女子テニス部に所属している。
文化祭では、男女テニス部合同で模擬店を出すことになった。
今日は、何の模擬店にするかを決めるため、
3年生の教室に集まった。
「みんな、遅れてすまない。」
「かまわないよ。じゃあ、始めようか。今日は何の模擬店をやるか決めるよ。」
「何か案ある人は??」
男子・女子テニス部の部長を中心に、話し合いが始まった。
あたしは冷静にノートを取る柳先輩に目を向けてしまう。
理由なんて聞かないでよ!!恥ずかしいから!
柳先輩はあたしの彼氏だったりする。
すごくかっこいい。
ジッと柳先輩を見ていると、あたしの視線に気づいた柳先輩はあたしにフッと笑みを見せた。
赤くなってしまうあたしは、反射的に顔を逸らしてしまった。
「女子のほうはピンクのオーラを出している人がいるね。」
「うむ。じゃあ、その菊田に聞いてみようか。」
と、幸村先輩と真田先輩。
って!まさかのあたし!?
もう、あれしかないよね。
「えっ!?あー…、喫茶店とか…?」
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