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テニスの王子様【短編集裏なし】

第8章 【白石甘】夏祭り


8/16 5:55

五分前に到着。
基本やろ。
…って思った俺がアホなんやろか。
結菜は既にきとった。
いつもと違って髪をお団子に結い、黒に桜の散らばった大人っぽい浴衣をきて…

どうしたらええか戸惑っとったら、
結菜の方からよってきた。

「蔵!うち、早く来すぎてしもた。行こか??」

「せ、せやな。」

ドキドキしながらも屋台一つ一つ見いてまわった。
結菜は意外に、射的も金魚すくいも上手くてびっくりしたわ。
いや、もちろん俺の方がうまいで。

「5分後に花火上がりまーす。」

警備員の声が聞こえると、俺は結菜の手を引いて
屋台もなく人気の少ないところに連れて行った。

「蔵?ここ、花火見えるん?」

「あぁ。絶好のポイントやで。」

「ほんま?あそこ見ずらそうやったからなぁ。」

あと少しで花火が始まる。
時計を確認して二人で空を見上げた。

「なぁ、結菜のこと好きやで。」
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