第5章 【向日甘】けが
「あの…よ…」
いや、治療してくれんのは嬉しいんだって。
けど…
「…我慢してください」
「いや…でもよ…」
「ケガした先輩が悪いんですっ!!」
「…お、おぅ…」
いや、宍戸妹に圧倒されちまったけどよ…
なんつーか…
これはねぇよっ…
ウサギさんのばんそーこって…
「なんか…お前面白いなっ」
プッと吹き出す俺を見て真っ赤になるそいつが、何かすげぇ可愛いくて…
「おい、お前俺の彼女にしてやるよ!」
初めて話したこいつは、ミーハーなんかじゃねぇだろうなって思って、
「…まぁ、彼女になってあげても良いですけど…っ」
初めて話しただけど、なんとなく一緒にいたいって思って、
「これからも、俺のケガの手当てしてくれよな」
ほんの少しの会話だけど、"恋"したのかもしんねぇ。
「仕方ないですねぇ!」
結菜は、俺の専属看護婦さん。
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