第1章 【海堂悲恋】結局君が、大好きで…
「部長がそんなんでいいんスか?」
三年生が引退した今、俺は部長だった。
越前は、そんな俺が部員を避けていいのかと言いたいんだろう。
「………」
「部内に私情挟まれるのは困るんスけど?」
「……悪い。」
「へぇ…珍しいっスね。そんなに好きなんだ?」
「………悪ぃ」
越前の憎いが重い言葉が胸に響く。
一年にこんな事を言われて情けねぇ…
けど、俺もどうすれば良いかわからねぇんだ…
恋愛なんて初めてで、
しかも実らない。
相談なんて、する柄でもねぇ。
「海堂くん!」
「…」
結菜に対して、無視を重ねる俺。
やりたいわけではない。
それでも、話すことが今は苦しい。
「海堂くんってば!」
「…」
「…どうして無視するのよ…」
その言葉を聞くと俺はその場から去るために結菜に背を向けて歩き出した。
「私はっ…、どんなに無視されても話しかけるんだからねっ!!」