第1章 【海堂悲恋】結局君が、大好きで…
「桃ちゃん♪」
「おっ、なんだ?」
桃城と結菜が付き合い初めて1ヶ月くらいたつ。
結局ここでも俺はあいつとライバル扱いされちまうんだ。
「海堂先輩、イライラし過ぎっス。」
「そんなことねぇ。」
「そう?見ただけでイライラしてるってわかるっスよ。」
「うるせぇっ!!!」
イライラしていた俺は、越前に指摘されただけで怒鳴ってしまった。
その声に振り向いた桃城と結菜。
結菜は桃城に隠れて怯えた顔でみていた。
ちっ…
あんなに桃城と寄り添いやがって…
二人が話す姿を見て、
俺は、心になにか黒いモノが渦巻く感覚、
いいとは思えない感情が沸いてきた。
「海堂くん!桃ちゃん知らな……」
「………(ギロッ)」
俺に話しかけてきた結菜を容赦なく睨み、その場を去る。
何が嬉しくてあいつを睨まなきゃなんねぇんだ…
何が嬉しくてあいつから憎いやつの名前を聞かなきゃならねぇんだ…
なんで…
なんで……
「おーい海堂!」
「うるせぇ。寄るな。」
「あんだと!?」
「うるせぇって言ってんだろ。」
結菜の次は桃城。
能天気な声と共に現れる…
俺の態度はいつもと違うのか、離れてく俺に罵声は浴びせなかった。