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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第48章 【深緑色】症状(中期)




こいつ等と居ると
いつか絶対ぇ胃に穴が開く…

ンなこた端からわかってたってのに
俺はなんでにここに座ったってのか


(気に入らねェからに決まってんだろがッ!)


そう自分に言い聞かせ
轟へと睨みを返す。

なんか言わなきゃ気がすまねぇ
無感情の目に口を開きかけた時だった。


「爆豪くんと轟くんって仲が良いんだねぇ
さっきからずっと見つめ合ってる~っ!」


――カタンッ


女の言葉に
怪訝な顔をしたハイリの手元から
スプーンが滑り落ちた。

支柱を失った銀色が白いスープに沈みゆく。

それさえ気に留めず
蒼白の顔を固めるハイリは
鈍いなんて言葉じゃ足りねぇくれぇ天性の馬鹿だと思う。


(わっかり易しーなコイツはよ。)


まだ信じてねぇんか
まだ疑っとんのか

まんまと乗せられたその口は
触れちゃいけねぇモンに
敢えて揺れる指先みてぇにふるふると震え

出て来た言葉は


「爆ッ豪…くん、その…
あのっ…まさか…まだ…?」


予想通りだった。

まだってなんだ
そもそもンなモン一度もねぇわ

キョドった目が俺と轟を交互に追う
よく動く目ん玉だなオイ
おまけに全然濁せてねぇ

わかってたンだ
だけどよ
ここまできてのコレは耐えがてぇモンがある。

すかさず立ち上がった後ろで
椅子がゴトリ、音を立てて寝そべった。

シン、と鎮まった辺りの生徒
声が二つ、跳ね上がる。


「ちッげーわボケが!」

「ッ!! まだ何も言ってないっ!」

「わッかんだよテメェの頭ン中くれぇよッ!」


こんな会話にすら俺は内心喜んでやがる。

表情のコントロールはいくらか出来ようが
感情をコントロールすんのは中々に難しい。

恐らくはそれも計算の内だったんだろうよ

ハイリと二人
壇上で繰り広げたかのような会話に
隣でケタケタ笑う狼女は


「爆豪くんとハイリちゃんって
すっごぉく仲いいんだねぇ…。」


そう言っては轟に笑いかけていた。


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