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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第47章 【深緑色】デイドリーム




耳たぶに吸い付いては
擽ったそうに肩をすくめる姿に目尻を下げ
熱い涙を舐めとっては
仔猫の様な声に口元を緩ませる。

目元を染めているのは
ハイリだけじゃなかった。

握りしめる手に力を込めた分握り返される
ハイリの中を感じれば感じる程締め付けられる

白昼の密事は
声を潜めて交わされる内緒話のようだ。

静かにひっそりと
彼だけに、彼女だけに

与えた数だけ与えられる
蜜より甘いコミュニケーション。


「もう1回…。」


強請る声は男の物。

はちみつ漬けの杏子よりもまだ甘い
喉が焼けつくような声に
女はコクコクと頷いた。

なぜ抗う事が出来るだろうか
自分だって満たされているというのに…。

もはやここがどこかなど
頭からすっぽりと抜け落ちてしまっている。

酩酊した頭は都合よく
ここは夢の中だから、とでも言いたげだ。

自分を押し潰し、押し開く
男のおねだりはこれが二回目。

既に二回も吐き出しているというのに
まだ元気が有り余っているのか…。


「ぁっ…。」


再び始まった内側から擽られるような刺激に
ハイリは小さく微笑みながら息を漏らした。

蒸気が描く、二人の温度
もうどちらの物ともわからない愛液がシーツに大きなシミを作る。
混ざり合って出来たそれは一度空気に冷え、肌にヒヤと触れては熱く温度を取り戻していった。


(いつもみたいに…激しいわけじゃないのにな…。)


ぼやけた頭に思い描く
自分を喰らう獣のような瞳

支配されているようで心地よかった

程度の差はあれどいつだって彼は捕食する側
そんな彼が今日はまるで子供の様

母親にしがみ付いて離れない幼子の様。


「ぁ…ンッッ」


嬌声の合間に
フッと笑みが漏れた

ハイリの口元に浮かんだそれは
少しばかり苦い笑み。

きっと怒りすぎてしまったのだろうと
不安にさせてしまったのかもしれないと。

後悔もろとも男の指を握りしめた。

小さく静かな閨の時
息が詰まるほどの快楽が押し寄せる

言葉の代わりに指先に口付け一つ

「全部受け止めるから」と
ハイリはもう一度微笑んだ。


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