• テキストサイズ

【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第46章 【深緑色】 限局性恐怖症




どんなに衝立で囲っても
中の光を一切閉じ込める事なんて出来やしない

だから大人たちはその光を漏らさないよう
最小限に抑えつけていたのだろう

だが輝き始めてしまった
この学校に入った事で

それは校訓どおり
壁を超える度に光を増し
あの日
とうとう抑えられぬ程にまでなってしまった





「これは…?」





差し出されたスマホ
映る二人に飯田は小さく首を傾げた。

誰かと問うた訳ではない。
そんなもの見ただけでわかる。

ジャージ姿で抱き合う轟とハイリ

背景はスタジアムだろうか
雛段のように並ぶ椅子は記憶に新しい

恐らくは雄英体育祭
あの日のワンシーンなのだろう
そこまでは容易に推測できた


(だが…これが何だと?)


飯田が視線で問う

話題になっているの意味は理解できた。
表示されているエンゲージメント数が
明確にしていたからだ。

この数ならもう
二人を知らない者は校内に居ないだろう。

だがそれだけだ
元より目立つ二人だし
それをなんら珍しいとは思わない。

飯田の疑問はどこまで伝わったのだろうか
視線を受け取った緑谷は
もう一度画面に触れ指さした。


「これだよ」


ここで明らかになったその真意
写真の意味

アップにされたその表情に
飯田は小さく息を呑み
その息を零す。

眉も目尻も下げたその笑みは
どこか苦笑にも見えた。

鏡写しのような表情をした緑谷が
肩を竦めながらその顔を上げる。


「ね?
こんな顔する相手に酷いことするなんて
僕には考えられないよ。」


だから君が心配などする必要はないのだと
君のソレは杞憂に過ぎないのだから、と。

/ 804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp