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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第6章 【桜色】物言えぬ処方箋


~Side轟~


アイツは
何がしてぇんだ…。


ヒーロー科だのに限らず
入学して間もないこの時期に
他のクラスの人間が教室に居りゃ嫌でも目立つ。

かかわるまいとしても賑わう会話を遮る術も無く
耳に入る会話から不可抗力でここへ来る羽目となった…
までは良い。
そこまではわかった。


だがあれよあれよと人が集まり
自己紹介まで始まったと思いきや


「あ"? なんでこのモブ女が1-Aに居んだよ?
あ"ァ!?」


遂には絡まれてやがる。

何がしてぇのか
こればかりは理解できねぇ…。





爆豪の怒声にキョトンと呆けた目を上げ
おもむろにメガネを取りじっと見つめるハイリ。

こうやって客観的に見てると
アイツがいかに肝が据わってる女かがわかる、
爆豪の怒号に対してひける気配が一切ねぇ。

むしろアイツが今怯えてるのは俺の方だろう
たまに俺を窺い見るハイリは委縮したガキみてぇだ。

朝の約束を守ってか
その約束に理不尽さを感じてかはわからねぇが
今時点で俺が動く理由は見当たらなかった。


「待てよ爆豪! 
HRまで時間あるってのにそれはねーだろ?
何処に居ようが自由だろーがよ!」

「そうよ爆豪ちゃん、
それに女の子に対してその言い草は感心しないわ。」


次第に野次が飛び始めて、爆豪の怒りも増す。
次に上がった猛りと共に
上げられた爆豪の両手がバチと火花を散らした。


「あ"あ"あ"あ"あ"あ"うるっせェ!!」

「かっちゃん!?」


最初に動いたのは緑谷だった
右腕を掴み制止しようと試みるも払いのけられ
その拍子に左手の平でBOOMと小爆発が起きる。

本人も予期せぬ爆破だったようだ
自分の左手を見、すぐさまその一番近くに居たハイリへと目を向けた。


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