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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第45章 【深緑色】オープン・クエスチョン




それは
朗報というべき物だった。




「………え?」




喜ぶはずの情報だった
安心すべき言葉だった。

なのに何故だろう
背筋を氷が滑り落ちたような
感覚にみまわれたのは。

それはきっと
この言葉の所為


「遭遇した3人の高校生は
お嬢さんと同じ雄英の生徒だったワン。」


サワと産毛が逆立った
体の中心から四肢へと波を立てていく。

ドクリと音を立てた心臓が
氾濫する勢いで血液を送り出す不快感。


「ゆう、えい……?」


予想してたはずだ
緑谷くんに何かあったんだって。

考えていたはずだ
何故よりによって
飯田くんの職場体験先の近くなのだろうかと。

願っていたはずだ
彼から返事がないのは…
その所為じゃありませんように、と。




「雄英、の…誰が、、、?」




物憂げに私を映す
真ん丸な黒眼。

それが閉じられ振られた首は
横方向に2往復だけだった。

じゃぁ何故
そんな中途半端な情報を与えたの?

教えられないなら初めから言わないで。
それなら知らない方がまだ良かった。

抗議の意を視線に乗せ、訴える。

受け止めた黒眼は
待っていたとばかりに細められた。


「いくら警視のご息女といえど
これ以上の詳細は本来なら教えられない、が……
教える代わりに一つお願いがあるのだワン。」

「なん、でしょうか?」


もう
頭を撫でるとか
語尾が可愛いだとかどうでもいい。

垂れた耳も
つぶらな瞳も
ダルメシアン柄のネクタイも

どうでもいい…。

私の戸惑いを受け止めたかのように
その頭が下げられる。

向けられた脳天は
ずっと撫でたかった頭のハズなのに
もう、和みなんて何処にもない。











「申し訳ないのだが
奴も…ステインも診察して頂きたい…。」














職場体験3日目



この日私は
本物の恐怖を知った。

ヒーロー殺し?
ヴィラン連合?

そんなもの
まだ可愛い

心臓を直接猫の舌で撫でられたかのような
この心地

その正体は
この感情の名は―――…。

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