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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第45章 【深緑色】オープン・クエスチョン




「保須警察署署長の面構だワン。
楠梨警視からお嬢さんの話は
よく聞かされているワン。」

「どうぞ…
よろしくお願いします…だ、わん…。」


そこの署長さんに挨拶を済ませたのは
もう、夜中と言って良い時間。

ブラインド全開の窓が
室内を鏡のように映す中

日付が変わろうと帰る気配のない刑事さん達に
何か飲み物でも…と考え始めた頃だった。

一体何が起こっているのだろう
勿論不安はあった。

TVを見る事の出来なかった私は知らなかったの
この日、何が起こっていたのか。


「今までのステインの行動パターンから
ヤツは必ずこの保須へ現れる。
流石、警視自慢のお嬢さん。才媛だワンね。」

「い、いつも父が…
お世話になっております…わん。」

「それで当警察署へと移動を願い出る。
中々の行動力だワン。」

「お、恐れ入ります…わん。」


だけどこの時ばかりは
ちょっとそれどころじゃなかった。

この人物に
目の前の面構署長に

その姿、間違いなく異形型
首から下は人間なのに
頭だけは犬そのもの

垂れた黒耳に人より付き出たお鼻
そこにコホンと添えられた5本指


(雄英にも“個性”が犬…
って教師はいるけれど…。)


バシッと着こなした黒スーツに
ダルメシアン柄のネクタイ。

見るからに紳士な立ち姿にこれは…
中々シュールな光景だ。

加えてこの語尾


「語尾、合わせなくていいワンよ。」

「す、すみません…。
合わせてるっていうより…
つられてしまって…わん。」


可愛い…
かわいい…

昨日散々脳無を思い浮かべていたから
猶更可愛い

本当なら緊張する筈の対面が
この姿と口調で和みになってしまっている。

もはや緊張なんて何処にもない
私の頭は如何にしてその頭を撫でようか
それで一杯だった。

だけど
そこに驚愕の事実が舞い降りたの。








「だが、もう必要ないんだワン。
ステインは今日、逮捕されたワン。」









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