第43章 ♦番外編♦　Xmas Eve シンドローム

今日の姿は一段と妖艶だ

女の喉がゴクリと鳴った。

恐れているのか
期待しているのか

キャンドルが男の頬を照らす
その頬を遮った白い足

自分の足だと理解するが早いか
声を上げるが早いか

果てて敏感になったばかりのソコへ
男の顔が埋められた。


「あ、あぁっ…や、ら…しょ…っと…」


舌先がパンパンに膨れ上がった尖りをつつく
ぬらりと舐め上げられ
女の爪がシーツの波を漕ぐ

自分の意のままに動きはしないのにまだ動けるのか
もう枯れたと思ってたのにまだ出るのか

滲むのは生理的な涙

熱と快楽が産み落とす
蜜事の結晶

じゅる、と鳴る
くちゅり、自分が鳴る

これも全て愛の上での行為

尖った舌の刺激を受けながら吸い上げられ
腰が跳ねた

差し挿れられた指は何本なんだろうか
もうわからない
ただ分かるのは何処を擦られるか
それのみ


――くちゅ、こぷ


今回もまた耳に響いた
自分の鳴き声

子宮口を押し上げた指が腹の裏側を擦りあげる
蜜口に向かってゆっくりと
念を入れるように


――ぐちゅ、、ごぷ…


深みを増す音

麻痺など知らない腹の底が疼く
それどころか回数を重ねる毎に敏感になって――


「ね、も…むり、ほんとに…っぁ、ぁぁあッ…―――…ッ！」


呆気もなく果てた。
また果てた。

もはや拷問に近い快楽の波は延々と
ハイリを襲っては果てへと攫って行く。

はくはくと唇を動かすハイリは
震える指先を拙く上げ
自分へと伸びてくる指に絡ませた。


「おねが、い…これ、いじょうっは…っ。」


許しを請うかのように懇願する

はやく
お願い
これ以上は、と

なんせ自分を攻め続けているこの男は
まだ一度として挿れてはくれないのだから…。