第42章 【深緑色】医療保険~指定難病恋型~
湿度が上がり始めた部屋の中
輪郭のぼやけた微笑に問われた
「もう、いいか?」
あてがわれたソレは熱くて
触れただけで息を呑む
吸った空気は濃すぎて喉を詰まらせた
コクコクと頷くだけの頭は小刻みだ
むせ返りそうで
頷くだけで精一杯。
ぎゅっと閉じた視界に
クスと音がする
「結構、限界だった。」
耳元で囁かれながら入ってくる熱は
ゆるり、ゆるりと
お腹の裏側を撫でているようで
感じる圧に息をつく。
「はっ…んっ…んぅっ」
首筋を撫でる舌が気持ちいい。
髪を撫でられて
内側を撫でられて
奮える内側が形を変える
押し広げられ彼専用へと変わっていく。
一つ突き上げられる度
ビリビリと痙攣する身体は
注がれる甘いキスに中和された。
「んっ…ふぁ…んぅっっ…っ」
言葉とかそんな余裕なかった
この行為そのものが会話だった
大切にされてるんだなって
何をそんなに不安になってたんだろうって
バカバカしく思えて
鼻の奥がツンと痺れて。
感覚は果てへと向かっていく
「ハイリ…。」
呼ばれた名と同時に指が腰へと深く食い込んで
引き寄せられた
――ぐちゅんっッ
「ひぅっ…っ!!」
より深くなった繋がりに
グリッとお腹の裏側を擦り上げられ
背は弓なりに
晒した喉はうまく酸素を呑み下せず
詰まらせた
「かッ…は…ぁ、やっ…ぁっぁっあぁっっ」
「ハイリ…
かわいいハイリッ」
互いの口から漏れ出るのはうわ言の様
噛み合ってないのに耳に響く
足を肩へと上げられて
手持無沙汰の手は頭の上へと投げだした
触れ合う距離は0からマイナスに
更に深くなる
より近くなる
内側からジワジワと侵食されてくような刺激に
腰から首へと肌が粟立って行く
「良い眺めだ…。」
細めた目が私の肌へと注がれて
それが愛でるかのようで
撫でまわすかのようで
(もう、限界―――ッ)
言葉に成らなかった
窓が割れんばかりに叫んでいた筈の声が遠のいていく
意識を奪われた頭は白く
耳も使い物にならない
うすらぼやけた視界は瞬き始めた
白く、チカチカと。
触感以外の感覚がすべて閉じていく。
「――――――――ッッ!!」
ああ…
ホワイトアウト、だ。