第42章 【深緑色】医療保険~指定難病恋型~
「ひ…っ、やぁ…んっ」
自分の欲よりハイリの欲を優先してぇ
欲しがるものすべてを与えてやりてぇ
優しくしてぇと思う程
大事にしてぇと思う程
己が欲を主張するがごとく
それは猛り、先端から雫を垂らす
肌と肌を繋ぐ潤滑油は
もうどちらの物かもわからねぇ
ハッと漏らしたい息もどちらの物か
「やんっ…め、うごいたら、めっ…。」
腕の中で猫なで声を上げてるハイリは
葛藤中の俺にとって少々厄介だ。
何も欲しがることなく俺の欲だけ駆り立てる
細い足が俺の膝を割り
つっ…と内腿を擦り上がる
「ッ…ハイリ、まてッ。」
挟まれた自身が柔らかな太腿の間で
むくり、質量を増す。
誘われるがままの自分のモンにまで
嫉妬を覚えちまった。
わかっちゃいるが
大概イカれてる。
(優しく抱くってのは存外難しい…な。)
自嘲は雑念に過ぎなかった。
今日、まだ触れていないハイリの下肢は
愛撫とキスだけで既に充分すぎる程だ。
滴る愛蜜は絡みつき
果てるまでの時間を急速に縮める促進剤でしかねぇ
「んんっ…ぁっ、あぅぁ…っぁ、ぁっ…」
甘い嬌声と響く水音
加えて光に曝け出された濃艶な姿
挿れる前からこんなんで大丈夫か?
正直雑念の一つでも置いとかねぇと
すぐに意識を持ってかれそうだ。
どう頭で抗おうが
こればっかりはどうしようもねぇ
「ハッ…ハハ…。」
荒く吐き出した苦笑は深く、重い
叶う事なら
ハイリを優先してやりてぇ、が
「ぁぅ…しょ、とっ…っ」
目ン中にハートマーク散らして
恍惚に笑んでるコイツに
今、何を言っても通用しねぇ事だけは確かだ。
「ッ…どうした?」
「す、き…っ」
なのに煽るだけ煽ってきやがる
果たしてこれが素なのか
それとも故意でやってんのか
どちらにせよ返す言葉は一つだ。
今、この瞬間だけはその自信がある。
「俺の方が好きだ。」
囁いた耳元にキスを落とすだけで
細い腰は簡単に跳ねる
スリ…と与えられる艶めかしい刺激
擦れる度に
腰が砕けそうなほど奮え上った。