第42章 【深緑色】医療保険~指定難病恋型~
どこに触れようが
どの様に触れようが
もはやハイリにとっては同じ事なんだろう
その目は蕩け
長い睫毛が艶と光る
濡れて光沢を帯びた唇と頬
乱れ素肌に張り付く金糸の髪
しどけなく握られた手が宙を掻いて滑り落ちる
まだ果ててすらない無いというのに
事後を思わせるかのような姿を
愛おしまずして何としろってんだ。
「可愛いな。」
漏れた言葉は
今、一番胸の中にある想いだ。
中心にあるその言葉を
色々飾り立てる句なら腐るほどあるが
突き詰めてみりゃたったの一言。
俺は
コイツが可愛くて可愛くて仕方がねぇんだ。
細めた視界で指を滑らせる
ハイリの肌を伝う指先
唇から顎へと辿り
喉、胸の谷間へと輪郭を辿るように下っていく
一つくびれたウエストを這うと
ピクン、と跳ねた腰に
また漏れ出でた。
「お前は可愛すぎるんだ…。」
ホントに思ってんだからしょうがねぇ
素直な本音を口にする度触れる熱は上がる
反応がある度に本音は漏れる
これじゃ鼬ごっこだ。
埒があかねぇ。
「ひぁ…ぁ、ぁぅ…。」
愛撫に思考と感覚を切り離された頭は
もう反論すら出ないほど蕩けてんのか…
言葉の代わりに
身体が語りかけて来る
俺の足の間へとすり寄る太腿
触れた絹肌にドクリ、自身が脈打った。
「――……ッッ」
滑らかな素肌に触れただけで果てちまいそうだ。
紅く猛り上がったコレは
もはや俺とは別の生きモン
脳の指示とは裏腹に
血管を浮き立たせ捕食へと急いていく。
隙間なく
ヒタリと吸い付く肌と肌に圧迫されたソレは
己が存在を誇示しながら
逃げ道を探すかのように足の付け根を練り動く。
――くちゅ…
音と同時に高い声が響いた。