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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第42章 【深緑色】医療保険~指定難病恋型~




「ひぁ…っぁ、み、みは…っ」


カチリ


「やぁ…っ、だ、め…っ」


またカチリ


「いじ、わる…っだ…っ」


愛叫と同じタイミングで鳴る

それは合図
始まりのカウントダウン。


「わかった。」


カチリ。
声は音より大きく響いた。




「優しくする…。」




言葉通りの声が鼓膜を撫でた
その柔らかさに熱を持つ

頬を撫でる指先は慈しむかのよう
ガラス細工でも扱うかのような仕草に
脱ぎ捨てられたばかりの服に顔を押し当てた。

その香りが余計に彼の存在を明るくして
恥ずかしさは一層増すだけ
微かな吐息さえ脳幹は痺れを起こす。


「あ、あの…っ」


何処かで戸惑ってた
こんな焦凍は初めてで

伸びてくる指先がゆっくりと
なだらかな放物線を描き、私の手を掬い取る

羞恥に奮える指先が
忠誠を誓う騎士のように彼の口元へと誘われて…


(…………っ)


いつもその目は
意地悪に光るから……

こんな扱い初めてで
恥ずかしくてたまらなかった

でも
目が離せなかった。


「ぅ…んっ。」


柔らかな舌に包まれて指先が跳ねた。
力の抜けた肩を掴まれて
体は仰向けに

光の筋越しに見える微笑みが優しく形を変える。
視線を受け止めるだけで背が奮う。

ちゅ…と音を立てて指先が外気に触れると
それは骨ばった手に絡め取られ
マットレスへと沈んだ。


(どうしちゃったんだろう…。)


憑き物が取れてクリアになった頭は空っぽだ

それが全て彼で埋め尽くされて
全身が全神経が焦凍へと注がれるみたい。

肌に纏う朝の光
ゆるりと上がった唇を鮮やかに照らす

これも彼の策の内なんだろうか
今日もまた、彼の手の上で踊らされるんだろうか


――求め縋った昨日より欲している


近づいてくる赤を見つめながら
ぼんやりと考えた。

麻痺とかじゃない
酩酊とも違う

投げやりとか
繋ぎ止めたいとかじゃなく

理性を保ったまま思った
彼の意のままに…と。

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