第41章 【深緑色】自己CHIYU
どうもコイツは受け身が過ぎる
俺に対してだけならまだいいがその対象は全て
現に今日だって
爆豪と昼食を共にしたっていうじゃねぇか
それがなきゃ
連れ出される事もなかったろうに
爆豪に触れられる事すら
無かったろうに
「焦凍も他の子に触られちゃ…だめ。」
そんな女が初めて俺へと向けた独占欲
(これは好機だ…。)
そう思った。
ちゅ…ちゅ…
儚い水音が響く保健室
本来病人を休める為にあるこの空間は
他の教室と比べて温度が高ぇ
細い首筋に貼り付く乱れた髪
滲む汗に艶と光る肌は
ワイシャツの隙間から覗く濃淡を
よりはっきりと飾り立てている
身体の距離を詰め
胸から上へと舌を這わせ
細い鎖骨に歯を立て
そこかしこへと刻むのは
言うまでもなく俺の印
白い肌に浮かぶ紅の花びら
「は…ぁっ」
花びらの数だけ浮かび上がる
熱い吐息を感じながら
火照り上がった肌に印された真紅を
指先で撫でた
「お前だけだと思うか?」
肩を震わす小さな身体
既に意識もおぼろげな瞳に問う
オマエの瞳にある感情は
何もお前だけのモンじゃねぇ
わからねぇとは言わせねぇ
幾度もぶつけた俺の欲だ
「なぁ…」
指をシャツの隙間に滑り込ませて責め立てる
この白い肌を覆う影こそ俺のさもしい独占欲だ
奮える腹を撫で
幾度と外したホックに指を掛ける
抑えつけられていた柔らかな肉を鷲掴むと
女は抵抗なく体を預けてきた
今日はいつになく従順だ
「ひぅ…っ、んっ」
「ハイリ? わからねぇのか?」
電流が走ったかのように伸びた背を抱き込んで
次は肩へと
今度はもっと色濃く残す烙印
俺が掛ける見えねぇ首輪
「痛…っ」
剥き出しになった白い肌に歯を立て刻む
滲んだ紅を舌で掬い取ると
同じ色の視線が間近で絡み合う
安心できる瞬間で
安心させてやれる瞬間
「今のお前がわからねぇ筈がねェんだ…」
お前が抱いているモノとまったく同じ感情を
俺はいつも抱いている
抑えてやろうとしていたってのに
お前が引き出してくれるとは思わなかった
例え今まで理解できずとも
今、この時ならわかるだろ?
同じ感情を抱え込んでいる今なら