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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第39章 ♦番外編♦  はにーホリック




『Halloween』



この日その祭りの詳細を初めて知った


「要するに菓子を配る日なんだな?」

「ちょっと違いますわ、轟さん…。」


項垂れた八百万の向こう側で
クラスの女子が首を垂れる

白黒橙エトセトラ
揃いも揃って仮装大会だ


「Trick or Treat!
これはTreat me or I'll trick you.
の略でして…」

「成程、惑わされたくなきゃもてなせ…か
物騒だな…。」


ゴテゴテと着飾られたのは
何も俺だけじゃねぇ

気乗りしなかろうが
乗ってようが
20名が全員姿を変え
下手したら原型を留めてねぇ奴まで居やがる

やはり思う
ハイリはどうなっちまうんだろうか…と

職員室に行くと言っていた
あれから一時間はゆうに過ぎている

そろそろ迎えに行くかと
時計を見やった俺の視界を遮るのはやはり八百万で


「ですから
最後まで話を聞いてください!」


なんでこんなに懸命に教えようとしてるのか
周りの女子も次々に口を挟んで説明をする


「とにかくトリックオアトリートって言われたら
お菓子をあげるんだよ!ハイリちゃんに!」
「あぁ…」
「と言うか轟お菓子持ってんの?」
「いや…」
「あかんやん、これ持ってき!
な? もう喧嘩はあかんで!」
「あぁ…」
「あげなかったらハイリちゃん
泣いちゃうかもしれないわ…。」
「わかった…」
「泣くどころか悪戯され――グハッ!」


言葉の最中に崩れ落ちる男は
何故か女子の群れに違和感なく混ざっていた上鳴だ
頭を抑えて蹲る

そして
その向こう側から顔を出す不機嫌面は


「爆豪は…犬か?」
「知るかボケッ!」


今日は一層機嫌が悪ィ

仕方ねぇだろう
いくら祭りとは言え
こんなふざけた耳に首輪
挙句の果てには鎖まで付けられてんだ


「お前、よく大人しく着たな。」
「るせぇ、話しかけんなクソが…。」


俺だって着たくて着てる訳じゃねぇ
だがこれこそしょうがねぇ


(学校行事か…めんどくせぇな。)


ハイリの悲鳴が聞こえるまで
この行事の価値を見いだせないでいた。







「いやーーーーーーーっこないでーーーーーーっ!!!」






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