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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第39章 ♦番外編♦  はにーホリック




「可愛いわッ!
可愛いわハイリッッ!!」

「こっち見ねぇかハイリ
あ、動くな、ブレちまっただろうがッ
もっかいだ
もっかいカメラ目線カマンッ!」

「あ、これハイリ!
逃げんじゃないよ!
今年のハロウィンは二度と来やしないんだよっ!」


こういう時
親バカ度というものは著明に表れる

ねむりちゃんにひざしくん
助けに来たのかと思いきや
ちよちゃんまでノリノリでカメラを出す始末。

逃げ込んだ教室に遅れて入って来た消太くんとねずちゃんは
私の着替えが終わるまで
何も手を出さない代わりに
口も出さなかった……。


(なんで止めてくれないの!?)


お菓子を頂いてしまった今
私が仮装するメリットなんてもう何処にもない

だがしかしだ
ここはマンモス校

魔法の呪文を唱える相手は
他にも山ほど居るわけだ

そう言い聞かされて
今に至る。


「写真はもう沢山とったハズだから
教室に帰る!」


騙された訳じゃないの
騙されたフリをしただけなの
だってお菓子貰ったし。


(早く帰りたい…)


飛び出した空き教室前の廊下には
ちらりほらりと仮装した生徒が数名

私を見るなり見開かれたその目に
やっぱりこの時期にベアトップはないよねと
ねむりちゃんのチョイスに恨み言を零した


「どうせ猫ならもっとこう…
もこもこした着ぐるみとかさ、あったと思うんだけどな!」


カバンを置いてる1-Aの教室はとてつもなく遠い
いつもは人気のない廊下もお化けたちがセットのように配置されている

フランケンシュタイン
メデューサ
あ、あのウィッチは可愛いかも

自分だって化け猫の癖に
この薄暗い廊下では
一人魔界へ紛れ込んだ気分になってしまう


(怖くない、怖くないけどねッ
だって私、ヒーロー志望だし!!)


自分を鼓舞しながらの行進
ポンと叩かれた肩が耳まで飛び上がる

振り返ると…


「とりっく、おあ、とり~~と~~~」


緑色の皮膚をしたゾンビ
飛び出した目と目があった


「ぃ、いやーーーーーーーーーーっっっ!!!!」


駆け抜ける廊下に自分の声がこだまする
二重、三重となったこの声は
彼の元にも届いただろうか……?

ああ、せっかくもらったお菓子
さっきの教室に忘れて来ちゃった


最悪だ。



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