第5章 【桜色】桃色診断書
~Side轟~
俺にしてみれば今更な話だが
今朝、彼女が出来た。
ふわっふわしてて危なっかしいと思いきや
突然大人びた顔で母親みたいなことを言う。
自分だって色々と事情も抱えてるだろうに
自分より他人を優先する変な奴。
だが、
改めて付き合うことになって気付いた事がある。
俺はハイリ自身からハイリの“個性”以外の話を聞いた事が無いってことだ。
人の事情に踏み込むタチじゃねぇし
そもそも人と慣れ合うつもりもねぇが、
ハイリは別。
勝手に第三者から聞いてしまった負い目もある上
俺にとっては特別な存在だ。
ようやく付き合うことになった今
そう考えたら無性に知りたくなってしまった。