• テキストサイズ

【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第5章 【桜色】桃色診断書


~Sideハイリ~


とろけるようなキスから解放される頃には息が上がっていた。
こっちの気もお構いなしに注がれる視線はあまりに甘くて
目のやり場に困ってしまう。


「OKってことで良いのか?」


大体この人は余裕があり過ぎるんだ。
わかってるだろうにわざわざ聞くなんて意地悪だとしか思えない。
息の上がった状態で言葉にするのは難しかった為
こくりと頷くと『意地悪』とは程遠い形容詞で評される程の力で抱きしめてくれた。


「大事にする。」


耳元で囁かれた言葉がなんだかとてもくすぐったい。
背中に手を回して力を込める。
悩みから幸せに塗り替えられていく頭は、
余裕を得て初めて
仕返しをしてやろうなんて意地悪な事を考えていた。


「私に他に好きな人が居たらどうするつもりだったの?」


あり得ない話なのだけど、
少しは困って欲しい。
第一、勘違いの経緯は未だ聞けていないのだから。

この飄々とした顔が慌てふためく所を見てみたい
そう思っての疑問だったのだけど
彼は不思議そうに首を傾げたまま
当たり前の様に言ってのけた。


「そん時はそん時、
俺を選んでもらえるよう頑張るだけだ。」


顔色一つ変えずの即答。


(もう、なんでかなぁ………)


この人、無駄にカッコイイ…。

緩む頬。
悟られない様に必死にこらえるけれど
どうやら無理だったみたいだ。


「どした? にやけてるぞ?」

「ん、お母さんへの手紙…書き直そうと思って。」








拝啓 お母さん様


私、大切な人が出来ました。

彼に見合う彼女になれるよう頑張るね!

             ハイリ
     






/ 804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp