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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第5章 【桜色】桃色診断書


~Sideハイリ~


『ハイリ、俺と付き合ってくれねぇか?』


問いを投げてから待つこと数秒
告げられた言葉の割に抑揚のない声に
私の想い人はどこまで淡々としているんだろう?
そんな疑問が頭を占めていた。


「………なんで?」


私にしてみれば当たり前の反応だ。

よーくよく考えてみて欲しい。
恐らく一方的な勘違いで
朝一番からここまで振り回されたのだ。

確かに早起きはした、
だけど朝からこれは精神力も体力も大幅ダウンだ。
なのに一人スッキリしたこの表情。

スッキリとは言ったけどいつもどおりだ
むしろ不思議そうに見上げているくらいだ。
なんで私がこんな目で見られなければならないのだろうか?

何故と尋ね返したのは他でもない
「まず何が起こっていたのかを教えてよ」
そんな意を込めたものだった。

なのに


「好きだからに決まってんだろ?」


心底不思議そうな上目づかいとストレートな言葉に
もうどうでも良くなってしまった。
思考を止めること数秒、理解と同じ速度で顔が熱くなっていく。
なんかもう、色々と無理だ。
きっとこの人には何を言っても敵わない。

出た溜め息は笑い交じりのものだった。


「なんかもう…、順番めちゃくちゃだよ?」

「わりぃ、色々先走った。」


照れを隠して笑うと囁くような返事と共に顔が近付いてくる。
甘い予感に目を閉じると唇にやわらかいものが触れた。


「……んっ…」


すぐに離れたかと思ったら今度は唇を淡く食まれて
思考を解かされていく。





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