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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第5章 【桜色】桃色診断書


~Side轟~


手紙と言うにはあまりに簡素な文章

ハイリらしい綺麗な字で綴られたその字列は
数にして数文、読み終えるまで1分と掛からない
そんな手紙。

読み終えて最初にした事は
首を傾げる、それだけだ。

なぜこうなるに至ったのか?
昨日一日を思い返せば
結論に至るまでは割と早かった。


(よく考えてみりゃ、何も言ってねぇな。)


上鳴と切島の会話を聞いて言おうと思ったのは確かだ。

だが昨日は色々あり過ぎた。
緑谷の怪我の件、うぜぇ隣人の件。

ハイリにしてみりゃ言い訳でしかないんだろうが
その所為で口より身体が先行し過ぎた。

突っ込めばいいのに
抵抗すらしねぇコイツも悪い。
流石に放置し過ぎだろう…。

虚空に焦点を定めたままどうするか考えども
何も言ってないのが事実。

言ってねぇモンはしょうがねぇ。

その程度の結論しか出てこない。


代わりにと言うのもなんだが
俺はたぶん、こういう事は『思いついたらその場で』
そういう性格なんだと思う。

俺自身、今知った。


「あの、もういい…?」


だから今、ハイリのこの言葉は
俺にしてみればタイミングが良かった。
この言葉を放つことに
さほど違和感はなかったんだ


「ハイリ、俺と付き合ってくれねぇか?」


膝の上で大人しくしていたハイリは
俺の肩に置いていた頭をぴょこんと上げて
不思議そうに見下ろした。





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