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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第36章 【深緑色】華と蜂のマリアージュ




「や…ぁ…っ」


くちゅと鳴る甘美な音と共に
男の指先は肉壁に包まれた

ドロドロに蕩けた蜜穴は狭く
それが自分だけのモノだと主張してくる

ハイリから寄せられた唇が
轟の脳髄をくすぐり理性もろとも思考を奪った


(なんでこんなにも…。)


長い口づけの合間
緩慢に回る頭で考える

堪能する程頭はハイリで満たされていく
頭が満たされれば心も満たされる

何故ここまで安堵するんだろうか
今だけじゃなく昼間だって
いつだって
俺の一番欲しいものを与えてくれる

どれだけ遠ざけようが
強引にでも隙間をすり抜けて
直接心に触れて来る

うっとりと蕩けた瞳と目が合った
睫毛が互いに震え、カサと触れた

こんな触れ合いに満たされる
誰よりも近くに、側に居ると感じることが出来る


(それだけか…?)


そんな訳がない
そんな生易しい執着じゃない
誰よりも自分が知っている

この女無しでは
もう、生きていく事すらできないのだと


「ハイリ…っ」


たっぷりと唇を味わいながらその名を呼ぶ
舌を吸い吐息を飲み下す

指で内壁を擦ってやれば
妖かしの華は腰をくねらせてしがみ付いてくる


「はぁ…っ、ぁっだぁめ…っ」


久しぶりに感じるハイリの温度に
吐く息は震え
絡める舌の感覚すら狂った

酸素の薄くなっていくような狭い空間の中で
すぐ隣のドアを叩く風の音は
確かに遠くなっていくのに
ハイリの拙い声だけは直接脳に響くのだ

それが罠
メビウスの輪のように延々と続く
出口など無い甘い罠

誘って迎えて惑わせる
艶やかに咲いた華の毒



「しょぉとっ…焦ら、ないで…?」



濡れた唇が弧を描き
淡い光に婀娜(あだ)めいて見える

「今日はもう帰らないんでしょう?」
「まだいっぱい時間はあるよ?」と
あけすけに悦んでいる

花びらを揺らし
小首を傾げ頬を撫でる姿はいつもと変わらないのに
こんなにも官能的だ



「無理だ…」



もう、無理だ
一秒たりとてもう待てない

お前が誘ったんだ
これ以上焦らされてたまるか

飢えを重ねたミツバチが針を出す
猛りに猛り、反り返ったソレは
もう待つ気はない
絶対に離しはしないと誓約するかのような毒針

外されたベルトのバックルが
カチャリ、叩き合い
薄闇に小さく響いた。
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