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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第5章 【桜色】桃色診断書


~Side轟~


妙な肌寒さから目を覚ますと
隣に居るはずのハイリが居なくなっていた。

昨夜
散々「ソファーで寝る」と言って聞かなかったハイリを
無理やりベッドに引き込んで離さなかったのは俺な訳だし、キレちまったのかもしれねぇ。
そう思って身体を起こすと、予想に反して同じ部屋
しかも目の前に背を向けて座っていた。


「ハイリ?」

「んー?」

「何してんだ?」

「ん、お母さんに手紙をね…っと。
終わり! おはよ、轟くん!」


昨日の慌てふためいた「おはよ」も可愛かったが
今日のはもっと可愛いと思う
柔らかい春の日差しの様な笑顔。

「コーヒーを入れてくる」といってキッチンに向かう背を見送りながら、この状況に自然と笑みが漏れる。
ふと視線を落としてテーブルを見れば
当たり前のように便せんは置かれたままにされていた。


(手紙か……。)


先程は、あまりに自然すぎて疑問に思わなかったが
何かにつけて電子機器で済ませることの多いこのご時世、
手紙ってのはかなり珍しい。

未だ畳まれておらず封筒で文面が隠されている所を見ると、これから封をするんだろう。


「…………。」


気にはなるが流石に無断では読めねぇ。
かと言いつつ目は封筒からはみ出ている最期の一文を
しっかり追っていた。





彼女になれるように頑張るね!

           ハイリ



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