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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第33章 【空色】バイタルチェック




別に魔法のステッキを手に入れた訳じゃない
レベルアップして進化した訳でもない

たかが宣言一つ

それでも
変わったと思う

変えたのは…貴方だ



だから探したよ
息を切らして走ったよ

診察、結構したし
かなり眠たいし
足、フラついてるけど

それでも会いたくて
ものすごーく探して
やっと見つけたんだよ?


そりゃ

周りも見えなくなるよ






「癒しに来たよっ!」






抱き付いた腕を解くと
視界が頭一つ分低くなる

見上げた焦凍は呆けてて
私の事、見えてるのかな?って思っちゃう位で


意識 混濁気味


解いたばかりの両腕を
もう一度彼に向かって広げて見せた。



「デリバリー診療ですっ」



診療だなんて言ったけど
彼が求めるのは
皆の求めるソレとは違う

さっき教えてもらったばかりの事だ
焦凍に必要なのは“個性”じゃない

だから
「おいで」って言いたくて

ホントは抱きしめてあげたかったんだけど
この体格差じゃ、しょうがないのかな

フッと緩んだ切れ長のオッドアイは
見た事もない角度に垂れて
回された腕が私を抱き締めた

トンと触れた胸から伝わる鼓動は
いつもより早め

顎に掛かった指に上を向かされて
キスしてくれるのかと思ったら
コツと額が触れ合った

熱もちょっと高めだ


「何のサービスだ?」


間近で触れる
笑い交じりの声

呼吸も…少し早いかな?



「処方ですよ?」



笑い返してもう一度首へと腕を回す
どうしても伝えたくて

背伸びをして
耳元に唇を寄せて
囁いた。



 


「ねぇ、焦凍…」


あのね
私、なりたい自分見つけたよ

焦凍を支えることが出来る存在に
なりたいの。

ずっと側に居るよ
絶対離れない

だからね
怖がらないで…

そう簡単に
折れたりなんかしないから

もっと

寄りかかっていいんだよ…



「……ね?」





焦凍って背ぇ高いし
ずっと背伸びしてる足がつってしまいそう

それでも倒れなかったのは
一言吹き込む度に強くなっていく
私の背に回された腕の力のお陰だと思う。


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