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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第31章 【空色】タヒる…


~Sideハイリ~


残り―――20秒

目の前で起きる全ての出来事が
視覚以外、私の全ての感覚を狂わせる。

伝達回路を焼き切ってでも
光景は瞼の裏に焼き付いた。

ポイントを取り戻さんと猛る騎手
追われる立場となった焦凍の顔に
初めて焦りを見た


トクリ…予感が芽吹く
鳴る胸の原因は期待か不安かわからなかった。

ただ揺らいで
さっきより確実に大きくなっている

予感は
芽吹いた瞬間に断言された。

掴みかかる緑谷くんから
己を庇おうとする焦凍の左手に
ユラリ、赤が揺れる

輪郭の曖昧なその赤は
彼が初めて形として見せた“左の個性”だ


(炎…だ。)


誰よりも動揺したのは本人だろう

勢い殺さず焔を弾いた緑谷くんの手が
ハチマキを掴む
取り返したその騎馬がそのまま宙を切った。


『残り17秒!
こちらも怒りの奪還!!』


だけど奪還したそのハチマキは


『ンナーーーーー!!!
緑谷チーム1000万奪還ならず!!!』


掲示板が無常に告げる70ポイント
順位は6位、このままじゃ確実に圏外で

血の通っていない電光版を見上げた緑谷チームは
一瞬だけ表情を悲痛なものへとし
すぐさま、次手へと頭を切り替えるように
後方に立つトップへ鼻先を向けた



終わったかのように見えたライン際の攻防はここからだ

但しそのラインとは地に真っ直ぐ書かれた白線ではなく
時間という名のライン

掲示板が時を読む
0,01秒のアップテンポなビートで


『そろそろ時間だカウントいくぜ
エヴィバディセイヘイ!10!』


始まるカウントダウン


大きさを増した常闇くんの影に
トップは布の中へと身を隠した
降る雷雨にコロッセウムが悲鳴を上げる

壊したのは雷じゃない
氷塊を砕くのは爆音響かせる人間手榴弾だ

開いた穴から
煙を巻き上げ3人目の騎手が
言葉通り飛び込んでくる。

爆豪くんの参戦だ。
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