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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第27章 【空色】自性感情症


~Sideハイリ~


こんなのに近いも遠いもないけれど
今日は一層距離が近く思えてしまう。

ヒタリと触れる肌の隙間は
0を通り越してマイナス

曖昧な境界線には
交わりという言葉がよく似合う

脳は、もう蕩けちゃって思考回路は鈍行なのに
快楽を伝える神経伝導路は鋭敏で
触れたとこからビリビリと気持ちよさを訴えた。


























吸い付かれた首筋は
今日噛まれたのとは逆の方だった。

至る所に節操なくマーキングされる度
心が嬉しくてつい跳ねてしまう

もっと、付けていい
もっと、痕をたくさん残して

私は、貴方のモノだから


だけど頭の隅っこで
誰かが訴えてくる

この行為に乗っちゃだめだよって

溶けて形を留めてるのかもうわからない頭の中で
理性という名の自分が囁いてる

その声は本当に小さくて
消え入りそうに小さくて

なんで乗っちゃいけないのかなんて

もう
わからない。

理性すら抗う理由を忘れてしまっているのに
どうせ無駄なのに
まだ足掻いてしまっている。


「まっ…てっ…ゃっ」

「お前の“まって”は聞き飽きた。」


最後の抵抗のつもりで
焦凍の腕に掛けた3本の指先は
遂に、お湯で滑って水滴と共にあっけなく滑り落ちた

脱力した私に気付いた彼は
嬉しそうに喉を鳴らす。


ほら、ね
焦凍の方がわかってる。


響く水音はシャワーの音とバスタブの音と
いつの間にかもう1つ…

それらが3重にエコーして
私の鼓膜が犯されていく…。


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