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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第26章 【空色】躁と鬱


~Sideハイリ~


こういう時
女の子はなんと言って
本音を伝えるのだろう?


本当ならA組を経由して
一緒に帰ろうと思ってた。

もやもやを放置したままでいると
何にも手がつかないんだもん。

顔を見て安心したかった
早く怒られてしまいたかった

どちらも
自分の都合だ。


【あいたいよ】


そんな思いが返信させてくれない
打っては消すを繰り返す
とっくに既読になってる筈だ
何か返さないと不自然だ

ああ、なんで開いちゃったんだろう。

そんな事
焦凍が気にしているかどうかも
わからないのだけれど…

行こうとさえしなければ
普通科とヒーロー科の生徒が
交わることなんて滅多にない。

下駄箱で顔を合わせるくらいだ。

教室に行く勇気は無くても
下駄箱で待つくらいなら出来るだろうか。

なんかそれじゃ、ストーカーみたいだし
とっくに帰っちゃってるかもだし


「A組に行ってみるか
このまま家に帰るか
LINEするか…。」


昇降口の壁に背を付けて
ぽつり
ぽつりと
自分の選択肢の数だけ指を折っていく


「C組に戻るか
電話するか…。」


どうした私
そんなに臆病者だったっけ?

今度は何の病にかかっているというんだ全く。

大体
悩み一つで既にパンクしそうだったのに
どうして同時にやって来るんだろう

こういう時
小説や漫画の中じゃ
友だちに相談…ってのがセオリーだけど

この場合
相談出来る相手って誰だ…?

お茶子ちゃん?
飯田くん?
切島くんに、上鳴くんに、瀬呂くん…

事情を知ってるのはこれくらい。


親指を握りしめた4本指
その向こう側に見えるは
白いコンクリートとローファーの爪先
そして自分のものではない淡い影


「ん?」


現われた友人は
ちょっと今は顔を合わせずらい男の子


「ぅっわ、タイミング…悪っ。」

「ンだとコラ…
んじゃ俺の前に突っ立ってんじゃねぇッ」


理不尽だらけのいちゃもんを付けながら
彼は彼でどこか気まずそうだ。

だけどもう
これはタイミングのせい


「ねぇ…今ヒマ?」


彼には悪いけど
付き合ってもらうしかないでしょう。

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