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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第26章 【空色】躁と鬱


~Side轟~


(関係ねぇ
そんな暇俺にはねぇんだ。)


関係ねぇ
必要ねぇ

まるで言い聞かせてるみてえだ。

言い聞かせるほどに
胸の内は穏やかとはとても言えねぇモンが
膨れ上がっていく。

ジワジワと広がっていく
水面に落とされた絵の具のように


独占欲に似た焦燥感


振り切るように
ハイリを追おうと足を踏み出した


「待てや。」


掴まれた方にはさして力は籠ってねぇ
振り払うことだって容易に出来た。

だがうぜぇと思った。
今までこの男がどんだけ視界をチラつこうが
相手にする気なんざなかっただけに
実感しちまった。

視野に
コイツが割って入って来たのだと。

ハイリと一戦交えようが
ハイリに傷を付けようが
どれだけハイリに付きまとおうが
俺の感情が向く方向は必ずハイリだった。

今まで視野に入れていなかったのだと
入った今、自覚する。

それは
この男の見せつけるような行動のせいか。
どこかに勝算を見つけたような笑みのせいか。


「俺はてめェに話があんだよ。」


ギシギシと空気が軋む
先程まで向けられていた沢山の好奇の目は
今や怪訝なものと変わり
小走りに場を去る生徒が目端を過ぎっていく。

感じ取ったのは爆豪も同じだったようだ
顎で校舎への通路を指し示し
付いて来いと促してくる。


(付いて行ってやる義理なんかねぇ。)


それでもその後を追ったのは
間違いなく
ハイリのあの行動が原因だ。


結局俺の行動の全ては
ハイリに…起因するんだ。


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