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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第25章 ♦番外編♦ ましゅまろホリック








―――――………







差し込む朝日が目に痛い
俺がこんなじゃ
ハイリはかなりきついだろう。


(少し無理を強いたか。)


風呂上り
時計と窓の外を見比べた轟は
一月前の朝と比べて照度の上がった部屋に目を細めた。

いつの間にか日の出時刻も6時をきった
もう少し日が経てば卒業式が来て
入学式が来る。

もう、春だ。

あの桜の木は
今年も沢山の花を付けるんだろう。

木の下で眠っていたハイリを思い出し笑みを漏らす。



丸まっていた布団が唸りを上げた。



「焦凍……」

「ん…?」

「今日、学校行かなきゃダメ?」

「いつもお前学校だろうが何処だろうが、寝てるだろ?」

「そでした…。」



布団の中から声だけが顔を出す
眩しいのが辛いのか
純粋に身体がキツイのか
中で丸まっているハイリは束の間の冬眠中だ。


(風呂入っている間に寝やがったな。)


一人笑いベッドの側へ
掛ける言葉も返ってくる言葉も
もう飽きる程交わし合った言葉だ。


「ほら起きろ、遅刻する。」

「や……もうちょっと…。」


布団を捲ろうとしても抵抗が無い
これはいよいよ限界だと見える。

共に過ごすほどに互いを知り
言葉が無くとも
表情を見ずとも読み取れる。



「起きろ。」



耳元で囁くと擽ったそうに身を捩る。
されるとわかってて待っていたんだろう。
自分に言える事はハイリにも言える事。

11カ月
それだけの月日を重ねて
築きあげた関係だ。

だから起こし方だってわかってる。
轟はニヤリと口角を上げもう一度囁いた。


「起きねぇなら俺が朝飯作るぞ?」

「それは駄目だ…」


ガバッと起き上がり寝起きの犬のように首を振る。
なんてことはない昨日の約束だ。


『明日の朝ご飯はハイリが作る。』


律義に約束を守ろうとする忠犬は
謀とも知らずノロノロとシャツに腕を通し始めた。


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