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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第25章 ♦番外編♦ ましゅまろホリック






「こういう事は人前でやっちゃダメって
いつも言ってるでしょう!?」



ハイリの第一声に緑谷はまた顔を赤く染めた


(楠梨さん…それを人前で言うのは良いのか…?)


そういう関係だとわかっていても
ハイリの口から聞かされるとリアリティが増す。

轟に感化されたか…
もはやハイリの感覚もどこかおかしい。

やっぱり止めてあげるべきだった
少しばかりの後悔は轟の一言で重みを増した。



「悪かった…。」



少し離れたところにあるテーブルを挟んで向かい合う二人。

詫びる轟の顔に反省の色は特に見えない
どちらかというと不満の色の方が著明に見える。

当然だ
自分の所為とは言え
他の男に大切なハイリの肌を見せてしまったのだ。

きっと彼の頭は
やり場のない不満で一杯なのだろう
何処へやろうとも今彼は…


「焦凍? 聞いてるの!?」


説教の最中だ



「わかった、努力する。」

「もうしないと言おう、そこは!」



大抵の事は笑って許すハイリだが
流石に今回の件は堪えたのだろう
説教はなかなか終わりそうにない。


「気にしないで食べてていいから」
ハイリはそう言ってくれたが気になってしょうがない。


複雑な罪悪感から
何故か責任を感じた緑谷は
二人へと歩み寄り助け舟を出す事にした。



「そう言えば、さ
ね、二人とも聞いて…ください。」


この中に割り込むのはなかなかの勇気が要る。
だけど緑谷とてNo1ヒーローを目指す男

不満気な視線も鋭い視線も何とか受け流し
自分に向いた注意にこれ幸いと切り出した。


「轟くんは楠梨さんに何を返すの?」


ホワイトデーとはバレンタインのお返しをする日なのだ。

当然、普通に考えれば男性が女性へプレゼントする日
緑谷がチョイスした主語は
決して間違っていなかった
相手が、普通のカップルならば……


緑谷とて馬鹿じゃない
言ってすぐに気付くハイリの複雑そうな表情に


(そうだった、バレンタインは轟くんがあげたんだっけ?
でも楠梨さんも準備してて…あれは自分で食べたんだっけ?
あれ?僕もしかして今……。)


冷たい汗が
こめかみを滑り落ちるのがわかる。

そう
彼は起こしてしまったのだ
爆睡しきっていた子を。

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