第25章 ♦番外編♦ ましゅまろホリック
「お、」
声は自然と上がった。
ようやく解決した疑問
満足と共に頷く頭。
定まる焦点。
見れば顔を真っ赤にしたハイリが半泣き状態で睨み上げている。
あられもない彼女の姿にどうしたのだと目を見開く轟だが
ふと我に返って思い出す。
やったのは自分だと。
(やべぇ…。)
目にもとまらぬ速さで開けたシャツを閉めようももう遅い
ハイリを見られた事への不満
自分の仕出かした事への後悔…はさほど無かったが
明らかにハイリは怒っている。
当然だろう。
人前でこんな姿を晒したのだ
当然だ。
わなわなと震える唇は感情を押さえようと必死なのだろう。
心中を察することは出来ても
やった事を無かった事にはもう出来やしない。
いつも出てくる「わりィ」の3文字
謝れば大抵の事は許してくれる
わかっていても
この時ばかりは出てこなかった。
「なんっ…だったのっ?」
自分の自尊心を固持する為
努めて冷静に振る舞おうとするハイリ。
ようやく解決したのだろう。
轟の表情からそれは読み取れた。
(さぁ、説明してもらおうじゃない!!!)
ここまでの辱めを公衆の面前で受けたのだ
納得のいく理由を差し出して貰わなければ割に合わない。
辺りを揺蕩うのは水素と酸素
比率は2:1
混ざり合ったそれに火がつけば
「マシュマロ…
食ったことねぇのに何かに似てると思ったらハイリだった。」
「…なっっ!?」
「甘いし、白いし、柔らけぇし…。」
「……っっ!!」
爆豪が居なくとも
プラスチック爆弾を作らなくても
爆発は可能なのだ。
「っ焦凍ぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
そんな叫びが上がった3月14日 PM6時
皆の願いは虚しくも叶わず
ハイリのお説教タイムが開始した。