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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第24章 【空色】インフェリオリティー コンプレックス 


~Sideハイリ~


「どこにもなかったよ
ヒーロー向きの“個性”も
ヴィラン向きの“個性”も。」


“個性”に向き不向きがあるのは
火力・防御・サポート・回復
何に特化してるかくらいで
ヴィラン向きとか、ヒーロー向きとか
そんなものはない。

もし、そんなものがあるんなら
そんな概念があるのなら
私がヴィランに狙われる事なんかないじゃない。
取り込まれる事なんてないじゃない。

ひた隠すように育てられた
これまでの15年、何だったんだろうって事になる。


「そんなものがあるなら
私の“個性”も隠す必要無くなるんだよ。」


声は、少し震えたようだった。

視界でゆっくり動いていた箸がピタリと止まる。

その箸の先を見つめながら思い返すのは
少しばかり苦い記憶だ。


「私は小学、中学と無個性として過ごして来た。
この個性社会で
それがどれ程の侘しさか、君にわかる?」


誰にも言えなかったんだ、無個性で通すしかない。
絶対使っちゃいけなかったんだ
そうじゃないと辻褄が合わなくなる。

向けられる視線は
憐れみか蔑み

子供は純粋な分残酷だ
異質な存在は自ずと敬遠される。


『ヒーロー向きの個性』
『ヴィランには向かない個性』


そうだったらどんなに良いか

願った事は非現実すぎるものだった。
願って諦めてを繰り返してきた。

なのに今、それを当たり前のようにあると言う。
コンプレックスだと自己を嘲笑いながら。
真逆だろうが関係ない。

私の向けた笑みは何色だろうか
きっと対面している彼より
青みが強いんじゃないかな。

天秤にかけるまでもなく、言うべきだと思った
私の“個性”だけじゃなく今までの事、全てを。


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