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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第24章 【空色】インフェリオリティー コンプレックス 


~Sideハイリ~


こちらを見ている心操くんに愛想笑いを向けて
視界をそろりと左側の背景へ
飛んでくるのは緋色の矢。


(睨んでる、睨んでるよヒーロー志望!!!)


ギンギンな目は充血気味だ
無言でご飯を食べてるのに
あんなに騒々しい人も珍しい。

隣に座ってる瀬呂くんはしょうがないとして
向かい側に座ってる上鳴くんも切島くんも
振り向いてまでこっちを見ている。

同席している人があんな顔で一点を睨んでいれば
しょうがない、しょうがないよね。

でもね
爆豪くんはわかる
わかるんだ

恋敵が他の男と食事をしてるなんて
最低だって思うよね。
んじゃ別れろ!!
って思うよね

わかる
非難は覚悟の上だった
だから凄くわかる。


だけど…


視線は心操くんをスルーして
今度は彼の右奥の背景へ
刺さるは氷の刃


(怒ってる、怒ってるよ
どうしようカッコイイ…。)


って見惚れてる場合じゃない。

怒ってるんだよ彼は。

一人静かにこちらを見ているだけなのに
あそこまで存在感がある人間も珍しい。

気持ちはわかるよ
仮にも彼女がってやつよね?

だから
焦凍には事情伝えたよね?
わかったって…焦凍、言ったよね?

なんでそんなに怖い顔して
こっちを睨んでるの!?

周りの女子が喜んでるだけじゃない。


氷の刃と紅蓮の矢
双方に貫かれた私は
恐ろしさから
持っていたスプーンを音もたてず手放した。

そんな不自然な行動を目の当たりにすれば
同席している人ならそりゃ不振がるだろう…。


「楠梨。」


強めの語気で名を呼ばれ
視線を中央に戻してハタと気付いた。

私はまだ
返事すらしていなかったのだと。


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