第24章 【空色】インフェリオリティー コンプレックス
~Sideハイリ~
二人と言えばもっと静かな所
そう思い込んでた私が悪い。
「悪いな呼び出して。」
確かに1対1だ、間違ってない。
昼休み
要するにランチタイムだ。
お弁当を持ってきていない私達が向かうは勿論
『大食堂 LUNCH RUSHのメシ処』
何故予想できなかったんだろう
その看板を見て凍った背筋
周囲を確認して
らしき人影は見当たらなかったからホッと一息ついたけど
やっぱり気のせいじゃなかった。
(し、視線が…痛ひ。)
向かい側に座ってる心操くんの目つきは
確かによろしくない。
だがそれ以上によろしくない視線が
私達を貫いている。
しかも一つじゃないの
ねぇ、どうなのコレ。
「楠梨? 大丈夫か?」
きっと顔色がよくないんだろうな。
自分で選んだカレーライスを前にして
真っ青になっていれば心配もするだろう。
机越しに身を乗り出して顔を覗きこんでくるなんて
中々優しい所もあるんだね。
心操くんの好感度が心なしか上がったところで
身を後ろに引きながら苦い笑みを返す。
心の中では絶叫だ。
(待って、お願い待って!
あまり近づかないで!!)
私もヤバいけど
多分心操くんも結構ヤバイ。
あの二人すっごく怖い。
心操くんの二つ後ろの列
私から見るとズラリと横一列に並んでいる席には
私たちの席を頂点として
潰れた二等辺三角形でも作るかのように
対称に置かれた二つの点
紅白頭と金髪頭
各々は離れているけれど
本当にこの二人、ウマが合ってると思う
なんて
本気で思っても決して口にしてはいけない
気がする。