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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第4章 【桜色】毒占欲 陽性


~Sideハイリ~


ぶつけた相手は随分慌てた様子の男子生徒だった。

申し訳なさそうにこちらを振り返り
何故か謝りながら走り去ってしまう…。

あの緑色の衣装は、コスチュームだろうか…?
と言う事はあの人もヒーロー科だと言うことになるけれど


(なんかこう、地味な人だったな。)


呆気にとられ、走り去った方向をまじまじと見る。

癖っ気のある髪にそばかす、それに低姿勢な所も含めてヒーロー志望としてはちょっと珍しいタイプ。
昨日からヒーロー科って会う人会う人個性的だからちょっと新鮮な感じだ。

それに――…


(パッと見ただけでもかなりの重傷だった。)


きっとヒーロー基礎学だ。

処置済みだったし、リカバリーガールの元へ行った後だろう。
なのに完治してないってことは1回で全快できない程の怪我だってことだ。


「授業でもあんなひどい怪我をするものなんだ……。」


お腹の底からざわざわと何か嫌な物が込み上げてくる。
ゾワゾワと腰から背にかけて粟立って行く。
ぶるっと震えた肩を抑える様に両手でさすると、後ろから頭にコツンと何かが当たった。

振り返って目の前にあったのは





「……轟くん……。」





大好きな人の拳だった。




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