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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第23章 【空色】自立神経失調症


~Side爆豪~


「切島くん、診せて?
梅雨ちゃんも、お茶子ちゃんも!」


手招きは四方八方
それこそ全員診るかの勢いでヒラヒラと舞った。

コイツの性格を考えりゃ
別に不思議とも思わねぇ


(だが…。)


去っていく後ろ姿。
轟に対するあの行動に関しては不自然すぎる。

所かまわず触れて来る轟に対して
困ったと言いながらも尻尾振って喜んでるような女だ。

自分の男だからって特別扱いは出来ねぇ
そういや聞こえはいいが
ありゃンな域じゃねぇ、拒絶だ。


「半分野郎はいいのかよ。」


切島の顔を覗きこんでいるハイリに向かって
問いを投げる。

どうだっていい事だ。

喧嘩でもしてんなら願ったりだろ。

確認してぇのは自分の違和感を解消する為
それだけだ。


切島の頬に添えられた指は一度ピクリと震え
誤魔化すように細められた瞳が俺の方へと向いた。

そう見えた。


「ん、怪我はなさそうだった。」


いつの間にか診察は済ませたのか
それとも信頼関係ってヤツなのか。

普通付き合ってんなら
真っ先に飛びついて行きそうなもんだが
他に目もくれず心配しそうなもんだが

二人の間に交わされたやりとりは
恋人同士というにはあまりに冷たいモンに見えた。

それは、俺だけじゃねぇはずだ。

事実、並ぶ患者は戸惑いの色を浮かべ
輪から一人外れた特待生の男へ視線を投げている。

で、その男はそんな視線知ったことかと言いたげに
こっちに関心を示しゃしねぇ。


(そんな軽いモンか?
ちげぇだろ普通。)


別段、経験がある訳でもねぇ
それでも普通なら、もっと心配するもんじぇねぇのか?

少なくとも俺は


「つか、てめェ怪我は…」


聞きかけた時だった
ハイリの目が吸い寄せられるように脇へと逸れ、大きな瞳はさらに見開かれた。



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