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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第23章 【空色】自立神経失調症


~Side轟~


ヴィランの襲撃
しかも主犯格二人は逃走

終わって最初に思った事は


(ハイリが居なくて良かった…。)


それだけだ。

アイツがこの場にいたら…
考えたくもねぇ。

身体能力も性格も戦闘向きじゃねぇ上に、あの“個性”
ヴィランとの接触なんざあっちゃならねぇはずだ。

偶然か、必然か
ハイリの“個性”のデメリットが
今日に限っては良い方向に傾いた。

そう、思ってたってのに


「ハイリっっ、怖かったよぉぉっ」


ゲート前でハイリの姿を見つけた時は
心臓が止まるかと思った。

芦戸に抱きつかれ
その桃色の髪を撫でる。
笑顔を絶やさずクラスメイトの傷を看る。

抱きつかれて僅かに乱れた制服は
血に塗れていた。

それがハイリのモンじゃねぇって事は
少し考えりゃわかることだった。


「頑張ったね、流石ヒーロー科だよ。」


泣く子をあやす母親のように笑う。

観察する程に伝わって来る今のハイリの心情

手に取るようにわかる分、踏み出そうとした足は
一歩も二歩も出遅れる。
          

側に行こうと
ようやく一歩踏み出した足


その数メートル先で
先にハイリに触れたのは爆豪だった。


「テメェ、なんでここに居やがるっ。」


ザワと一度波をたてたどよめきはすぐに止む。

少なからず皆、同じ疑問を抱いたんだろう。

一度寝たらなかなか起きねぇハイリが
何故、よりによってこんな日に起きちまったのか。
何故ここがわかったのか
血に塗れたその制服はどうしたのか。

問い詰めたい気持ちはよくわかる。

惑う瞳は宙を泳ぎ
ふにゃりと音を立てて目尻を下げた。

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