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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第22章 ♦番外編♦ ちょこれぃとホリック





―――――……














「どしたの?」

「やる。」














その日の夜
そう言って渡されたマグカップ。



私はどこにリアクションを取って良いのかわからず
マグカップを二度見した。





















珍しい
焦凍が私にお茶を淹れてくれるなんて本当に稀だ。

別に冷たいわけじゃない。
ただこの人は「して貰う」って事に慣れ過ぎているだけ
末っ子と一人っ子
いわば、育った環境の違いだ。

だから、私の驚き様と言ったらなかった。


(どうした!?
私が寝てたから!?)


寝てたと言ってもお昼に言ったあれだ。
今日は早起きしたこともあって、午後の授業は仮眠室でそのまま寝てしまった。
そのまま下校する始末。

具合が悪いとでも思われてるんだろうか?

意図を読めず顔を見上げるも
彼はちょこんと隣に座って動く気配もない。

まるで何かを待ってるみたいだ。


(飲んで…欲しいのかな?)


そわそわと私の様子を窺う様は
なんだか子供みたいですごく可愛い。

吹きだすのを我慢して
そっとカップに口を付けるとふんわりと漂ってくる甘い香り。

色からしてココアかな?
今日は雪もチラついているし
ホットココアは有り難い。

思わず頬を綻ばせながら一口飲んで
ハテと首を傾げた。


(ココアじゃ、ない…。)


少なくともいつも自分が飲んでいるのとは違う。

ココアと比べて濃厚な味と滑らかな舌触り
あまり飲んだことは無いけれど
多分これは…


「ホットチョコレート?」


顔を上げると
安堵の色を浮かべたオッドアイと目が合った。

なんだか本当に子供みたい
表情に大きな変化は無くても目の色が変わる。

内緒ごとを隠したいのに隠せてない
それでいて気付いて欲しいと思ってる
悪戯っ子みたい。


「すげぇな、わかるモンなのか?」

「いや、ココアとは違うなって思って…。」


安心したような声はいつの間にか後ろから
腕同様、私を包んで右肩に額を埋める。

そして極々小さな声で囁いた。





「好きだ。」




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