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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第22章 ♦番外編♦ ちょこれぃとホリック





(まさか、この人…。)


笑おうとした頬は引きつった。

まさか、まさかね
いくら焦凍でも…それはない。

だけど頭は確認するまでもない
そんな太鼓判を勝手に押しはじめている。

確認は、念のため…程度に過ぎなかった。

背中を撫でながら
出来るだけ平静を装った声で問う。


「焦凍くん、バレンタインって何する日だっけ?」

「チョコレート、配る日だと思ってた。」


青くなってた原因はここにあった…。

配るってなんだろうな…?

この人は毎年当たり前のように沢山貰い過ぎて
バレンタインとはチョコレート無料配布の日…
とかそんな捉え方だったのかな?


(あり得る…焦凍なら……。)


どうして、そこまで思い至らなかったのだろう。
私としたことが…まだまだだ…。


そして今度は
私が青くなる番だ。


(どうしよう…どう考えたってこれは――)


私が悪い……。




ソファーと仲良く並んでいるローテーブル
その上に置かれた空っぽの木目柄の小箱を横目で見て

深い後悔のため息をついた。



はぁ…



時計の針はカチコチと
まるで私を急かす様に静かな密室に音を響かせる。

他に響いてるのは焦凍の鼓動の音だけだ。
いつもより早く聞こえるのは間違いなく、私が原因なのだろう。


「ごめんね、訳わからなかったよね。」


気付いたら謝ってた。

当たり前だ
彼にしてみれば、訳も分からず怒られて
怒鳴られて、なじられたのだ。

その中で真実を知って
こんなに青くなってる……。

お詫びを入れても返事が無いのは
きっと…頭に入ってないんだろう。



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