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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第22章 ♦番外編♦ ちょこれぃとホリック





心底不思議そうな一言と瞳に
私の中で何かが弾けた。

自分より下にあるその綺麗な顔に鼻が触れそうな程顔を近付け、目一杯睨む。

大きく息を吸いこんで、一気にまくし立てた。


「あのねぇ…バレンタインと言えば?
好きな人にチョコレートをあげて愛を告白する日でしょう?
そんな日にチョコを突っ返されて?
目の前で他の子のチョコを受け取る。
そんな彼を目の当たりにして、怒らない女の子がいると思う!?」


どうせなら、何故突き返されたのかその理由を聞き出してやろう。
ここに来て私は、腹を括った。





突如変わった焦凍の表情に…
その気持ちは難無く砕け散った。


「え、焦凍?
どうしたの?」

「待て、処理できねぇ。」


一点を見つめたまま頭に手を添え
ヨロリとソファーに片手をつく。

これは本当に具合が悪そうだ。


「え…大丈夫!?
ちょっと―――……」


咄嗟に肩に手を添えると
頭を押さえていた手に身を捕らわれた。


「……焦凍?」


まるで母にしがみついて離れない
子供の様だと思った。

回された腕は背を横断して反対側の肩まで抱いている。
片腕なのに逃れられそうにない。

どう考えたって抱きしめられてるのに
そう思ってしまったのは



「悪い…。」



囁かれた一言にあった。

そろりと見たその表情は
らしくもない、捨てられた猫の様。

黒曜と翡翠二色の双眼が不安気に揺れる。

ここに来て初めて本気で謝られている
その実感にふと浮かんだのは
まさかの可能性だった。


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