第22章 ♦番外編♦ ちょこれぃとホリック
何が起こったか?
言うまでもない。
先程の会話通り、渡したチョコを突っ返されたのだ。
その理由がなんとも彼らしい。
『俺はあまり好きじゃねぇ。』
いや、わかってるよ?
決して好きじゃないよね?
知ってる!!
だけど嫌いじゃない
それも知ってる。
これと言った好物ではないけど
焦凍は比較的甘いものが好きだと思う。
比較対象なんて
お父さんや、お兄ちゃん'Sしかいないのだけど…。
だから
強請ることは無いと思ってたけど
突き返されるとは思ってなかった。
受けたのは怒りより衝撃で
とりあえず出て来たのは確認だった。
『えーと…今日2月14日って知ってる?』
『ああ、それがどうした?』
『バレンタインだよね?』
『だな。』
『………………。』
『………………?』
念の為にした確認だったけど
ちゃんと把握済み。
その上で突き返されて
しかもなんで怒ってんだ?みたいな顔されて
更にはその後に来た女の子のチョコは
ちゃんと受け取ってるんだから…
なんか一気に怒りが込み上げて
冒頭に戻る……。
女の子が去るまで耐えた私を
誰か褒めて欲しい。
「あーーーーーーーーーー寝ようっ。」
思い出したら身が持たない。
怒りと言う感情は身体にも心にも悪いのだ。
ソファーに横になってスマホを取りだす。
寝ると言ってもこんな精神状態で眠れるはずがない。
なんとか気を紛らわそうと思っての事だったのに…
【何処行った? なんで怒ったんだ?】
タイミング良くやってきた焦凍からのLINEに
また一つ怒りマークが増えてしまった。
どこまでもとぼけた内容に
いっそ無視してしまおうか…
そんな考えも過ぎったけれど
何処かで構って欲しいっていう
ワガママな気持ちもちゃんとあって
結局、二つ目の問いにだけ答える事にした。
【自分の胸に手を当てて、よぉっく考えてください!】