• テキストサイズ

【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第21章 【琥珀色】インプリンティング


~Side轟~


参った…
自分の知識の浅さに呆れるほどに


「お前に対する感情を
なんて言い表したら良いのかわかんねぇ…。」


知ってる言葉は無い訳じゃねぇ
だがどれを並べても違う
やたらと陳腐なモンに思えてしょうがねぇ。

深いため息を付き
茹だる頭を細い肩口に埋めると
伝わってくるのは小さな振動。

笑ってやがる…
わかっても、それにツッコんでやる余裕はなかった。

なんせ今まで
思ったことは全部言ってきたってのに
言いたくとも言葉が出ねぇんだ

ハイリは言わなきゃわかんねぇヤツだから
俺にしてみりゃかなりデカい問題。

しかも誰のせいでもねぇ
強いて言うなら自業自得だ。

小さく揺れる肩はそのままに
こっちの気も知らねぇで返ってきたのは
ひどくカラリとした声だった。


「なぁんだ…簡単だよ?」


直に伝わる振動が大きさを増す。

僅かに身体を離されて
亜麻色の瞳が下から覗き込む。

茶化す様な言葉の割に
その表情は優しかった。


「言葉じゃなくてキスが良い。
だって──」


重なった唇は
瞬く間に離れていった。


「――キスは愛を誓う行為でしょ?」


大きな目をきょろんと上げて
悪戯が成功した子供のように笑う。

「結婚式で!」と一言付け足して
勢いを付けてくるりと背を向ける

らしくない大きな挙動は
大方、真っ赤になってるからだろう。


/ 804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp