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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第21章 【琥珀色】インプリンティング


~Sideハイリ~


「わりィ、待てねぇ……。」


予想してなかった訳じゃない
返ってくる答えは二通り

YESかNOか

そしてNOが返って来た
自分の心の中にある不安から
そう…思ったんだ。




























月明かりに照らされた横顔がこちらを向いて
笑みがその形を深めていく。

長い指が光を遮って
櫛で梳くように私の頭を撫でた。

柔らかな表情に見えるのは淡い光の所為だろうか
そんなことを頭の隅で考えながら薄く開いた唇を瞳で追った。


「明日の約束ならいいだろ?」


焦凍の答えは
YESでもNOでもなかった。


(明日……?)


ゆっくり傾いていく頭
言いたいことがわからない
それくらい突飛な答え。

二通りの答えしか持たなかった私の頭では
続く言葉を予想する、と言う選択すらなく
遊ぶように髪を撫で続ける手に頭を預けたまま、耳を傾けた。




「毎日約束をすればいい…
遠い約束じゃなくなったら、ちゃんと言う。」

「………毎日?」



告げた口元が綻んでいく。
その言葉を聞いて
理解して、気付いて、初めて思い出す


(そうだ、こういう人だった……。)


絶対私が見つけられないような答えを
当たり前のように口にする、そんな人。

好きだなって思う瞬間はいくつもある。
だけどこういう時ばかりは愛おしいと思う。


(これを素で言っちゃうんだもんなぁ……。)


もう、
何度思ったことかもうわからない。






敵わない…。





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