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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第21章 【琥珀色】インプリンティング


~Sideハイリ~


焦凍の腕の中は温かくて
安心する。

髪を撫でる手が
もう話さなくていいよと言っているみたいで
自分の口角が思ってたより上がっていない事に、初めて気付いた。


(焦凍はわかってないな。)


そんなこと言われると、
ひねくれ者は逆に話したくなるものだと言うのに…。

広い胸に顔を埋めると
口角がちゃんと上がっていくのがわかる。

ホントに笑えてなかったんだなって気付いた分
無理にじゃない
今は本当に笑ってる
そう思えた。

だからこれは、間違いなく本音だ…。


「私ね、将来の約束が怖いんだよね。」


怖いよ。
だって「彼女」は裏切られてしまったんでしょう?

お伽話ですらない、ただの作り話だ。
だけど、父は幼い私にこればかり話した。
しかも寝る前に
暗示をかけるように…。

だから私は、それは悪い事で
父は私がそんな子にならないように
言い聞かせているのだろうと
諭されずともそう思うようになった。

だって童話の殆どが
そうでしょう?

約束を破ったから鶴に…
油断してたら亀に…
言い付けを守らなかったから狼に…

童話ってそう言うものだよね

だから次第に遠い未来の約束をする事が怖くなって
当たり前の様に個性婚が嫌いになった。


「そして個性婚はキライ……」


焦凍に出会ったあの日
父であるエンデヴァーさんの話を聞いて
益々嫌いになった。

酷いなって
子供の事、奥さんの事
考えてあげられないのかなって
ものすごく胸が痛くて
本当に嫌いになった。

だけど


「キライだったの…。」


嫌いだったになった。
嫌いじゃなくなったの……。














お父さん

私は…悪い子ですか……?



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