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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第20章 【琥珀色】月光欲


~Sideハイリ~


ヌル…と撫でる手が滑るのがわかる
羞恥の涙は自業自得だ


「これ…浴衣まで濡れてんな。」


囁かれるだけで疼いてしまう

どうしてこうなってしまったのか
自分はどうしてしまったのか
不審がる爆豪くんに謝りながら考えていた。

場所が違うから
服が違うから

それもあるけど
多分違う。


『お前、寝ぼけてねぇか?』

「ごめ…そうかも…っ」


電話の向こう側にいる爆豪くんにバレやしないかと
そのスリルに興奮しているんだ
認めたくないのに認めざるを得ない。

切りたいと願っていた頭は
全く逆の事を考え始めていた


『じゃ、切るわ。
月曜、忘れたらコロス。』


無事に電話が途切れて
ふと物寂しさを感じて初めて
そんな淫らな自分に気付いたんだ。


















スマホが途端に重く感じて握りしめていた手の力を解くと、薄っぺらな機械は音も無く布団の上に滑り落ちた。

焦凍の方へと振り返るけど
空いたままの障子から差し込む月明かりが
逆光になって良く表情は見えない。


(明るいはずだ
今日は満月だったんだ…。)


穏やかな気持ちで見ることが出来たら
どんなに綺麗に見えた事だろう

だけど今、
そんな風流に浸る余裕なんてあるはずない

やっと話せるようになったのに息が上がってしまって、まともに言葉を紡げない。
悲しくも無いのに涙は止まらない。

縋るように
いつもと違う寝着の襟を掴んで訴えた。


「っ…何で、こんな事…?」


返事は
すぐには帰って来なかった。

抱きしめられて
それも物凄い力で
本当に潰れそうなほどで

押し倒されたと言うよりは
縺れて転がったって言った方が近い。

障子に向かって倒れ込んで
私の上に覆い被さった焦凍を月光が照らす

長い睫毛が上がった頬に影を落として
二日月を象った唇が確認するように囁いた。


「夜這いって、言ったよな?」


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