• テキストサイズ

【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第19章 【琥珀色】訪問診療録(後編)


~Sideハイリ~


テレビの中のコントか何かを見ているかのように
その会話はテンポ良く流れては去った。

顔色一つ変えず紡ぎ出されたその言葉を
聞き返したくとも巻き戻しなど叶わない。

不意に訪れた沈黙に
ポンっと出て来た疑問符は3人分。

湧いては浮かび上がり、また湧き出ずる。

そんな静けさの中
誰よりも早くその結婚発言に反応したのは
部屋へ戻った筈のエンデヴァーさんだった。










「責任で結婚か。
なんとも浅はかな考えだ。」










いつから居たのだろう
何処から聞いていたのだろう

後ろから現れたそのヒーローは
腕を組み、諭す様な表情が厳めしい。
何処からどう見ても親の顔。

突き付けられた厳しすぎる正論に
焦凍の肩が僅かに跳ねた。















空気が――…不穏な色に淀む
赤と緑の絵具を混ぜ合わせたような無彩色に



向ける視線は親へのものとは思えない。
かける言葉は子へのものとは思えない。


私の正面に立つ焦凍と、背面に経つエンデヴァーさん
交わす視線も言葉も
自分に向けられたワケでもないのに
流れ弾に当たったかのように痛い。

ゆたりと弛んでいた空気の糸はピンと張り詰めて…











キレた。

/ 804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp