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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第19章 【琥珀色】訪問診療録(後編)


~Side轟~


どれ程のモンか知らねぇが
リカバリーガールの話から推測する限り
ハイリの名はヒーロー界じゃ割と知れてんだろう。

雄英が育てた次世代の“治癒の個性”
雄英の卒業生であるクソ親父が知っててもおかしくはねぇ。

興味がねぇのか、聞くまでもねぇのか
その両方もあり得るか…。

どれにしたって気味が悪ィ
ハイリを一人にしたくねぇ主な理由はこれだ。

出来ることならさっさと帰りてぇ
そう思って話を振ってはみたが


「なぁ、帰んなくて良いのか?」

「んー、実家で待ってる人が居る訳じゃないし、もう帰るって言ってもねぇ…。」


柱時計は22時を指している。
確かに今から県外へって時間じゃねぇか…。

仮に帰ると言われても
こんな時間にハイリ1人で夜道を歩かせるわけにもいかねぇし、
俺も帰ると言ったところでコイツが頷く訳ねぇし


(なんたって、俺をこの家に留めるために
泊まるとまで言ったんだからな、コイツ。)


幸い、どこまで肝が据わってんのか
初めて来たその日に泊まるってのに
ハイリに緊張はもう見当たらない。

姉さんが用意した浴衣を着ている所為か
寧ろくつろいでいるようにすら見える。

まるでこれが日常の風景かのような…

そう考えりゃ
実家にハイリが居るってのは


(それはそれで良い事だよな…。)


「物は考えよう」とはよく言ったモンだ。



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